自己管理は難しい!アルコール依存症治療の施設

日本のドラマや邦画ではブラックジョークは通用しないし、お芝居だろうとアルコール依存症で施設に入所している姿を映したものって、あるんでしょうか。

よくハリウッド映画などではありますね。シリアスな作品からハードなコメディまで。何だがすごく簡単な病衣を着て、鉄格子の付いた病院内で変な事を言ったり徘徊したり。

どこまでがリアリティを追求したものか、それとも笑を取りたいためかは分からないのですが、まあ、若干それほど別世界の話でもないと言いますか、更生施設やリハビリ施設を恥ずかしいとか隠したい部分として扱っていないお国柄を感じますね

今日の日本では、アルコール依存症はもちろんのこと精神的な病気でも相当なことがない限り強制的に入院させるのは無理だそうです。

その、相当な事というのは異常な興奮状態、社会に迷惑をかける、自傷行為など。もしもそんな人が身近に居たら?恐ろしい限りですが、その手前だって充分怖いでしょう。

「酒買って来い!」と朝から怒鳴り散らして暴れている程度では強制的に入院をさせてくれないのです。

しかしそれは本人がアルコール依存症だということを認めていないからです。アルコール依存症だと認めて、自分は愚か家族でもどうにもならなくなれば入院できます。

入院施設は近くにアルコール科があれば良いのですが、無ければ一般的に精神科での入院となります。

入院したら、まずは長期にわたるアルコール摂取で体に疾患がないかを調べ、そこから治療します。

そしてアルコールが検出されなくなるまで点滴で輸液と利尿作用のある薬品のお世話になります

治療するに当たっては体力も回復させなければならないので、たいていの患者は栄養剤の点滴を受けるのだそうです。飲んでばかりで食事もろくに摂らなかったという人が多いようです。

入院治療のメリットとして、「自分はアルコール依存症で入院するほど」という認識を毎日実感できることです。

しかしこれが、本人もアルコール依存症を治すつもりで入院したのに膵炎になり内科での入院になったとすると少し事情も変わってきます。

中にはアルコールの離脱症状に苦しみ、勝手に帰る人もいるのです。セキュリティのしっかりしている精神科かアルコール科での入院で治療しなければなりません。

盲腸や肺炎などの病気とは違い、ここで治療しなかったら命に関わるという差し迫った病状ではないだけに断念防止として、専門の入院施設でなければならないのです。

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アルコール依存症治療施設模様

アルコール依存症になると、どんな所で治療していくのか気になるところです。映画のような鉄格子の付いた病棟で、ガタイの良い看護師にサポートされて…なんでしょうか。

実際には、症状に合った施設が一番なのでしょうがアルコール依存症外来のある病院自体少ない地域では、家族の面会なども考慮して、あまり選べないようです。

県内で唯一の病院となれば特に。相当な特殊なケースであれば対応可能な遠い病院へ…となりますが、大抵の場合は近場を選びます。

その治療施設の中ですが、お酒を求めて頻繁に大暴れするようならそれなりの施設に入所します。それこそガタイの良い看護師にサポートされて、若干の監視が付くような病棟です。

しかし、大暴れするケースでも入院によりアルコールが抜けていけば少なからず勢いは衰えますので、ずっと鉄格子と監視付きともかぎりません。

アルコール依存症患者の受け入れ施設は、精神疾患を患った人と同じ病棟や病室に入ってもらう施設、アルコール依存症はアルコール依存症病棟としっかり分けている施設、女性専門のアルコール依存症病棟のある施設、社会復帰を強く望んで入院生活を奉仕活動や団体行動を中心としている施設があります。

これらもどこの県にも必ず数軒あるとはいきませんが、いかにアルコール依存症は深刻な問題で、かつ社会復帰が可能だということが伺えます。

まず一般的な例では、疾患を抱えて体の治療が先の人は内科病棟への入院が先となります。約三週間ほどで身体は回復してアルコール依存症病棟へ移ります

アルコール依存症病棟は、辛い離脱症候群を克服するための隔離状態の造りで、脱走や自殺、他人に危害を加える恐れがあることを考慮して監視もあります

それ以外は老人ホーム施設と似たような造りで、談話室やリラックススペースも充実しています。

アルコール依存症病棟という専門の施設でなくても受け入れている施設は、精神疾患を抱えている人と同じ病棟になります。

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通院治療のアルコール依存症

アルコール依存症の通院治療は、入院して完全にお酒が抜けた状態を維持するために通院する…といったケースが断然多く、通院のみで治療する人は大抵は軽度の症状であるようです。

少し前までなら離脱症状を乗り切るためにと入院治療が主流で、確かにアルコール依存症は一人では治せない病気なだけに隔離や監視も必要だというところからでしょう。

薬物依存症とは違い、アルコール依存症は普通に生活しているだけでは、いくらでもアルコールは入手できるのですから。

しかし、それが最近では離脱症状や身体的なダメージが軽いようなら通院のみで治療する方法も多くなってきています

もちろんそこには、医師の「通院のみで治療でも良い」といった診断も必要なのですが、仕事や家庭環境などをみても誰でもポンと3ヶ月の入院を始めます!と言われても、ハイわかりましたと即実行できるわけではないのが現状です。

中には、これ以上お酒を飲んでいると仕事に支障が出るから…という人だっているのです。

そういった人にとっては有難いシステムとも言えますね。実際にビジネスマンプログラムと称した、夜間と土曜日の受診を中心としたカリキュラムを持つ病院もあります。

その通院治療とは、まず抗酒剤という薬を処方されます。

アルコールの分解を阻害させるよう肝臓に働きかけ、いつものようにお酒を飲む時、その抗酒剤を服用することによって頭痛がしたり二日酔いが酷くなるなどアルコールに対して不快感を覚えさせる事で、断酒をサポートします。

薬の処方、診察、集団心理療法と経て断酒による離脱症状やストレスなどを軽減させ、断酒を継続させていきます。

集団精神療法-複数の患者さんが集まり、飲酒中心とした様々なテーマで話し合いをすることで互いによい影響を与える。飲酒問題を整理することからはじめ、徐々に飲酒に対する適切な考え方を身につけていく

引用元:新アルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドラインに基づいたアルコール依存症の診断治療の手引き

断酒の際、不安感が襲ってくることが多く、その旨を医師に相談して抗不安薬の処方箋をもらうなど、ただ単にお酒を口にしないと言ってもアルコール依存症となればスムーズにいかないので通院は大切なのです。

心理療法は、個別と集団とあり個別はカウンセリングのような形で精神科医と話し合い、断酒への問題点や不安感を話す事で解決に繋げます。

集団心理療法は、数名の患者と一緒にアルコールや断酒に対する意識、断酒の苦しみなどを話し合いながら回復や断酒継続を考えるものです。

通院治療で大切な事は入院とは違い、医師も同じアルコール依存症に苦しむ人が近くに居ないぶん、断酒への意識が薄れやすいのが弱点なので面倒臭がらずにマメな通院を心がけることです。

 

 

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